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日本の水道水はそのまま飲めるのか — 「世界で15カ国だけ」を確かめ、安全の仕組みと注意点をまとめる
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日本の水道水はそのまま飲めるのか — 「世界で15カ国だけ」を確かめ、安全の仕組みと注意点をまとめる

52項目の水質基準、残留塩素、東京の高度浄水処理と漏水率3.9%。「196カ国中15カ国」の出典を確かめ、受水槽のある建物や災害時の注意点までまとめた

J-Times Editorial

J-Times 編集部 / J-Times Editorial Team

2026年3月25日更新: 2026年10月26日12 min417 閲覧
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第5回 なぜ日本の水道水は飲めるの? — 「世界で15カ国だけ」は本当か

なぜ?ニッポン · 7分

番組のほかの回を聴く声は AI で作っています。内容は J-Times 編集部が確認しました。

日本の水道水は、法律で決められた52項目の水質基準を満たし、基本的にそのまま飲める。一方「196カ国中15カ国だけ」は確かめられる数字ではなかった。国土交通省の図は旅行情報をもとにした9カ国、WHO/UNICEFの統計では31カ国。浄水・検査・漏水対策の仕組みと、受水槽のある建物や災害時の注意点をまとめた。

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答え(2026-10-26時点):日本の水道水は、水道法にもとづく52項目の水質基準を満たすよう管理されていて、基本的にそのまま飲めます。ただし「世界196カ国中、水道水を飲めるのは15カ国だけ」という数字は確かめられませんでした。国土交通省の資料には「そのまま飲める国」を9カ国とする図がありますが、これは外務省の渡航情報と旅行ガイドブックをもとにした目安です。WHO(世界保健機関)とUNICEFの統計では、2024年に「安全に管理された飲み水」をほぼ全員(99%超)が使える国は31カ国でした。数字は違っても、蛇口の水を安心して飲める国が世界で少数派であることは確かです。

この記事は2026年3月に公開した記事を、官公庁と国際機関の資料で確かめ直して書き改めたものです。旧版の「196カ国中15カ国」「WHOより厳格な51項目」「東京は全浄水場で高度浄水処理(2013年)」「ロンドン23%・パリ8%の漏水率」などは、数字が違っていたか出典を確認できなかったため改めました(末尾「この記事で直した点」)。

蛇口から出る水の後ろには、川の水をくみ上げる取水塔、夜の道路で地面に耳を当てるようにして漏水の音を聴き分ける調査員、毎日蛇口の水を検査する技術者がいます。日本の「当たり前」は、こうした人たちの仕事が毎日続いているから成り立っています。

江戸川にある金町浄水場の取水塔。川の中に立つ塔と、岸へ渡る橋。写真:Mayuno / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0(2007年撮影)
江戸川にある金町浄水場の取水塔。川の中に立つ塔と、岸へ渡る橋。写真:Mayuno / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0(2007年撮影)

写真:Mayuno / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

日本の水道水は本当にそのまま飲めるのか?

飲めます。水道事業者は、水道法にもとづく水質基準(2026年4月から52項目)に合う水を届けることと、定期的な検査が義務づけられています。蛇口の水には、消毒のための残留塩素を1リットルあたり0.1mg以上保つことも法令で決まっています。

2026年4月1日には、有機フッ素化合物(PFAS)のうちPFOSとPFOAが、それまでの「水質管理目標設定項目」から水質基準に格上げされ、合わせて1リットルあたり50ナノグラム以下と定められました。これにより水道事業者に検査(おおむね3か月に1回以上)と基準を守る義務がかかります。水質基準のほかに、国が検査を求める「水質管理目標設定項目」が26項目、今後の検討に備えて調べる「要検討項目」が46項目あります。

日本の水道普及率は98.3%(2022年度末)。1978年に90%を超えました。

旧版の「水道法は51項目の基準で、WHOのガイドラインより厳格」は、項目数が変わったうえ、項目ごとにWHOと比べた資料を確認できなかったため改めました。

「世界で15カ国だけ」という数字はどこから来たのか?

確かな出典は見つかりませんでした。近い数字として、国土交通省『令和7年版 日本の水資源の現況』には、水道水を「そのまま飲める国」を日本、ニュージーランド、オーストリア、デンマーク、フィンランド、アイスランド、オランダ、ノルウェー、スウェーデンの9カ国、「飲めるが注意が必要な国」を33カ国とする図があります。

ただし、この図は外務省の「海外安全情報」「世界の医療事情」(2025年6月時点)と、旅行ガイドブック『地球の歩き方』のウェブサイト(2024年11月時点)の情報をもとに、国土交通省が作ったものです。旅行者向けの注意情報の集計で、各国の水質を測って比べたものではありません。

国際的に比べるときに使われるのは、WHOとUNICEFの共同監視プログラム(JMP)の統計です。

  • 「安全に管理された飲み水」の定義: 敷地内で手に入り、必要なときに使え、汚染されていない水
  • 世界全体(2024年): 使える人は74%。使えない人は約21億人、4人に1人
  • 国の数(2024年): 「少なくとも基本的な飲み水」を99%超の人が使える国は89カ国。「安全に管理された飲み水」を99%超の人が使える国は31カ国

日本は「少なくとも基本的な飲み水」が99%超です。一方、2025年版の付表では、日本の「安全に管理された飲み水」の割合は推計なし(データ不足)となっています。日本の水が危ないという意味ではなく、国際比較に使える形のデータが報告されていないということです。

浄水場では何をしているのか?

川や湖の水を、薬品で濁りを固めて沈め、砂でこし、塩素で消毒するのが基本です。東京23区では、利根川・荒川水系のすべての浄水場で、オゾンと生物活性炭を組み合わせた「高度浄水処理」を加えています。

東京都水道局の令和8年度水質検査計画によると、高度浄水処理は、通常の処理では取り切れないカビ臭の原因物質や有機物、アンモニア態窒素などを取り除くためのものです。利根川・荒川水系の浄水場は23区の浄水能力の約8割を占めます。一方、多摩川水系の浄水場には高度浄水処理が入っていないところもあります。旧版の「東京都水道局は2013年に全浄水場での高度浄水処理を完了」は、「全浄水場」ではなかったため改めました。

全国でも効果は数字に出ています。湖の富栄養化などでカビ臭などの被害を受けた人は、1990年度には約2,200万人いましたが、オゾン処理などの普及で、近年は約350万人以下で推移しています(国土交通省)。

東京都水道局は、23区内47か所の蛇口で水質を検査しています。残留塩素は法令の下限(0.1mg/L)を守りつつ、カルキ臭を抑えるため、国の目標値(1mg/L以下)より厳しい独自の目標(0.4mg/L以下)を置いています。

東京の漏水率は本当に3%なのか?

ほぼ合っていますが、少し上がっています。東京都水道局によると、2023年度の漏水率は3.9%。1992年度の10.2%から下がり、2012年度には2.0%まで下がりましたが、その後は3%台で推移しています。

漏水の修理の約96%は、道路の配水管から各家庭へ分かれる給水管で起きています。東京都は、地下の漏水を音で聴き分ける調査を、車の少ない夜間にも行っています。古くなった給水管や、空き家に残った給水管からの漏水が課題として挙がっています。

旧版の「ロンドン約23%、パリ約8%」との比較は、漏水の数え方が都市で違い、同じ基準の数字を確かめられなかったため削除しました。

全国を見ると、水道管の老朽化が進んでいます。法定耐用年数(40年)を超えた管の割合は2022年度に23.6%で、上がり続けています。浄水施設の耐震化率も約43%にとどまっています(国土交通省)。「当たり前」を次の世代に渡すには、更新の費用と担い手が必要です。

それでも、なぜペットボトルの水を買う人が多いのか?

内閣府の2024年の世論調査では、水道水を「特に何もせずそのまま飲んでいる」人は39.1%。「ミネラルウォーターなどを買って飲んでいる」36.1%、「浄水器をつけて飲んでいる」34.3%、「一度沸騰させて飲んでいる」16.2%でした(複数回答)。

安全かどうかと、おいしい・好みに合うかどうかは別の問題です。においや味、建物の配管への不安から、ボトル入りの水や浄水器を選ぶ人も少なくありません。自動販売機で水が簡単に買えることも、その背景の一つかもしれません(日本の自販機の記事も参照)。

飲むときに気をつけることは?(チェックリスト)

旅行で来る人

  • ホテル、駅、公共施設の蛇口の水は、基本的にそのまま飲めます
  • 「飲用不可」「飲めません」と書かれた蛇口は飲まない(雨水や井戸水などを使っている場合があります)
  • 山の湧き水や沢の水は、水道の基準で検査された水とは限りません
  • においや味が気になるときは、冷やしたり、ボトル入りの水を選んだりして構いません

住む人

  • マンションやビルで、いったん受水槽に水をためる方式の場合、受水槽に入るまでは水道事業者、受水槽から蛇口までは建物の設置者が管理する責任を負います。受水槽と高置水槽は年1回以上の清掃が求められています。気になれば管理会社に清掃・点検の記録を確かめましょう
  • 色や濁り、においがいつもと違うときは飲まずに、建物の管理者か水道事業者に連絡を

災害のとき

よくある失敗

  • 「日本の水は全部安全」と思い、表示のない湧き水や「飲用不可」の蛇口から飲む
  • 受水槽のある古い建物で、色や濁りに気づいても我慢して飲み続ける
  • 断水に備えず、災害のあとに店で水を探し回る

よくある質問

Q. 日本のホテルの水道水は飲める? A. 基本的に飲めます。古い建物で受水槽を使っている場合、管理は建物側の責任です。気になるときはフロントに尋ねるか、ボトル入りの水を選びましょう。

Q. 水道水に塩素のにおいがするのは安全? A. 消毒のため、蛇口で0.1mg/L以上の残留塩素を保つことが法令で決まっています。においは消毒が効いているしるしでもあります。

Q. 浄水器は必要? A. 水質基準を満たした水道水なら、必ずしも必要ではありません。味やにおいの好みで使う人が多く、内閣府の調査では約3人に1人が使っています。

Q. PFAS(有機フッ素化合物)は大丈夫? A. 2026年4月から、PFOSとPFOAの合計50ng/L以下が水道の水質基準になり、水道事業者には検査と基準を守る義務がかかりました。自分の地域の結果は、水道事業者の公表資料で確かめられます。

Q. なぜ「奇跡」と書かないの? A. 日本の水道水が安全なのは奇跡ではなく、法律、検査、設備、そして毎日働く人たちの積み重ねの結果だからです。

この記事で直した点

  • 題名と見出しの「196カ国中たった15カ国」→ 出典を確認できず削除。国土交通省の図(9カ国+注意付き33カ国、旅行情報ベース)と、WHO/UNICEFの統計(安全に管理された飲み水が99%超の国は31カ国)に置き換え
  • 「51項目の水質基準、WHOより厳格」→ 2026年4月から52項目。WHOより厳格という一般化は確認できず削除
  • 「東京都では独自に200項目以上を検査」→ 項目数を確認しきれず、検査地点(23区47か所)と検査の区分に置き換え
  • 「東京は2013年に全浄水場で高度浄水処理を完了」→ 利根川・荒川水系の全浄水場(23区の能力の約8割)に訂正
  • 「ブラインドテストでミネラルウォーターと区別できない人が多数」→ 出典を確認できず削除
  • 「漏水率約3%」→ 2023年度3.9%(最も低かったのは2012年度2.0%)に更新
  • 「ロンドン約23%、パリ約8%」→ 同じ基準で確かめられず削除
  • 「ヨーロッパの多くの国は硬水でカルキ臭が強い」→ 出典を確認できず削除
  • 新たに、PFAS基準、残留塩素、国民の飲み方の調査、受水槽、老朽化、断水への備えを追加

出典と確認日(すべて2026-10-26に確認)

文・J-Times 編集部(2026-10-26時点の情報)

#disaster preparedness#infrastructure#Japan travel tips#tap water#Tokyo#water quality

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J-Times 編集部
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