メインコンテンツへスキップ
本文へスキップ
日本のコンビニで何ができる? ATM・支払い・証明書・災害時の役割と、使い方の作法
Life & Philosophy

日本のコンビニで何ができる? ATM・支払い・証明書・災害時の役割と、使い方の作法

全国に約5万6千店(2026年4月)。海外カードが使えるATM、公共料金の支払い、マイナンバーカードでの住民票、宅配便、災害時の帰宅支援まで。なぜここまで生活の拠点になったのかと、レジでの作法・よくある失敗

J-Times Editorial

J-Times 編集部 / J-Times Editorial Team

2026年3月25日更新: 2026年10月26日14 min222 閲覧
共有

日本のコンビニは約5万6千店(日本フランチャイズチェーン協会、2026年4月)。海外発行カード対応のATM、公共料金や税の支払い、マイナンバーカードでの証明書交付、宅配便、災害時の帰宅支援ステーションまで担う。できることの一覧と、温め・箸・イートインの税率・ごみ箱など使い方の作法を確認。

この記事を読むと +5 MTC を獲得できます

答え(2026年10月26日時点):おにぎりや飲み物を買うだけの場所ではありません。多くの海外発行カードで円を引き出せるATM、公共料金や一部の税金の支払い、宅配便の発送と受け取り、書類の印刷、そして日本に住んでいてマイナンバーカードがあれば住民票などの証明書の取得までできます。日本フランチャイズチェーン協会の統計では、2026年4月の店舗数は5万6,125店。多くが24時間営業で、首都圏などでは、大地震の後に歩いて帰る人へ水道水やトイレ、道路情報を提供する協定も結んでいます。

この記事では、コンビニでできることを一つずつ、使い方と一緒に説明します。あわせて、街角の小さな店がなぜ銀行の支店や郵便局、役所の出張所のような役割まで引き受けるようになったのかを考えます。2026年3月の記事を書き直したもので、変更点は末尾にまとめています。

コンビニは何店あって、なぜどこにでもあるのか?

約5万6千店です。2026年4月、日本フランチャイズチェーン協会に加盟する7チェーンの店舗数は5万6,125店。その月の来店客数はのべ約13億4千万人、客単価は約735円でした。

数字は、日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の「コンビニエンスストア統計調査月報」2026年4月分を報じた流通ニュースによるものです。店舗数はここ数年5万6千店前後で推移していて、2025年10月は5万5,962店でした。

日本のセブン‐イレブン1号店は、1974年5月15日に東京・豊洲で開店しました。その1号店も、地元の商店主が営むフランチャイズ店でした。今も基本は同じで、多くの店は地域のオーナーがチェーンの看板と仕組みを使って営んでいます。小さく、家から近く、その家庭の「今日」の用事に合わせた品ぞろえであること。コンビニがあらゆる町に広がった理由は、ここにあります。

コンビニで実際に何ができる?

大手チェーンの多くの店でできることをまとめました。チェーンや店によって違うので、表示を探すか、レジで聞いてください。

したいこと探すものポイント
海外のカードで現金を引き出すATM(セブン‐イレブンならセブン銀行。他チェーンにも独自のATM)セブン銀行の海外カード案内は英語・中国語・韓国語・タイ語・ベトナム語など12言語
公共料金や一部の税金を払うバーコード付きの払込票をレジへ現金が確実。カードの可否は種類による
住民票などの証明書を取る(住民)マルチコピー機とマイナンバーカード住んでいる市区町村が対応していれば。原則6時30分〜23時
印刷・コピーマルチコピー機各チェーンのアプリでスマホから印刷
荷物を送る・受け取るレジで宅配便の発送、ネット通販の店頭受け取り
チケットを買うマルチコピー機かレジコンサート、スポーツ、一部の施設
店内で食べるイートインコーナー店内飲食は10%、持ち帰りは8%

ATM。 セブン銀行の海外発行カード向けページには、セブン‐イレブンの店内のATMで、多くの海外のキャッシュカード、クレジットカード、デビットカードを使って日本円を引き出せると書かれています。自分の銀行の手数料がかかることがあり、ATMが自国通貨建てへの換算を提案してくることもあります。たいていは断って円建てにできます。

証明書。 地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営する「コンビニ交付」では、マイナンバーカード(またはスマホ用電子証明書)を使って、店のマルチコピー機で住民票の写しなどを印刷できます。福岡県の案内では、利用時間は毎日6時30分〜23時(12月29日〜1月3日とメンテナンス日を除く)で、4桁の暗証番号が必要です。すべての市区町村が対応しているわけではありません。

サークルKサンクス(のちにファミリーマートへ統合)の棚に並ぶおにぎり。番号付きのフィルムで、開けるまで海苔とご飯が触れないように包まれている。
サークルKサンクス(のちにファミリーマートへ統合)の棚に並ぶおにぎり。番号付きのフィルムで、開けるまで海苔とご飯が触れないように包まれている。

写真:Corpse Reviver / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0(2009年1月24日撮影)

レジで戸惑わずに食べ物を買うには?

聞かれるのはたいてい三つ。温めるか、箸やスプーンが要るか、袋が要るか。支払いでは、お金は店員の手ではなくカウンターのトレーに置きます。

  • 「温めますか?」 「はい」か「大丈夫です」で。弁当や一部のパスタはレジで温めてくれます。セルフの電子レンジがある店もあります。
  • 「お箸はおつけしますか?」 スプーンやフォークも頼めば付けてくれます。家で食べるなら断れば無駄が減ります。「もったいない」の考え方は日本のサステナブルな暮らし方で。箸の作法は日本の箸のマナーをどうぞ。
  • レジ袋は有料。 経済産業省の制度により、2020年7月1日から全国でプラスチック製の買い物袋が有料になりました。マイバッグを持つか、「袋は大丈夫です」と伝えます。
  • 店内で食べるか、持ち帰るか。 国税庁が説明している軽減税率制度では、酒類と外食を除く飲食料品は8%ですが、店内のイートインで食べるのは外食にあたり10%です。「こちらでお召し上がりですか?」と聞かれたら、そのためです。(なお、2027年4月から2年間、飲食料品の税率を1%に下げる法案が国会に出されていますが、10月26日時点では成立していません。)
  • 支払い。 現金、クレジットカード、Suicaなどの交通系ICカード、QRコード決済がたいてい使えます。お金はカウンターの小さなトレー(カルトン)に置きます。手渡しが失礼というわけではありませんが、トレーに置くと、店員が目の前で数えられます。チップは不要です(理由はこちら)。

おにぎりの開け方。 多くの包装には番号の付いたつまみがあります。①を真ん中からまっすぐ下に引き、②と③を左右に引き抜く。フィルムが海苔とご飯を分けているので、このときまで海苔がパリッとしています。片側を強く引きすぎると、海苔が袋の中に残ります。誰もが一度はやる失敗です。

よくある失敗は?

家庭ごみを持ち込む、イートインを休憩所のように使う、ATMやコピー機の前をふさぐ。どれも、店員か後ろに並ぶ人の手間を増やしてしまいます。

  • 家庭ごみ。 店のごみ箱は、その店で買ったもののためのもので、種類ごとに分かれています。家庭ごみの持ち込みを断る張り紙をしている店も多くあります。住んでいる人は自治体の収集に出しましょう(日本で暮らすための実務ガイド)。
  • イートインで持ち込みの食べ物を食べる、 混む時間帯に長居する。
  • ATMやコピー機を長く使う。 後ろに人が並んだら、スマホの操作や暗証番号の確認はいったん横によけてから。
  • 電話しながらレジに立つ。 先に電話を終えましょう。店員は一人で長い列をさばいていることが多いのです。
  • ごみ箱の分別を間違える。 たいてい「燃えるごみ」「プラスチック」「缶・びん」などに分かれています。迷ったら聞くか、持ち帰りましょう。
コンビニの飲み物の冷蔵ケース。お茶、コーヒー、ジュース、ビール、水がガラス扉の奥に並ぶ。
コンビニの飲み物の冷蔵ケース。お茶、コーヒー、ジュース、ビール、水がガラス扉の奥に並ぶ。

写真:Yuya Tamai / Wikimedia Commons / CC BY 2.0(2009年8月13日撮影)

旅行者はコンビニをどう使えば便利?

到着した日から帰る日まで、旅の「つなぎ」の用事はたいていコンビニで片づきます。使いどころを順番に並べると、次のようになります。

  1. 着いたら現金を少し。 空港や駅の近くのコンビニのATMで、当面の円を引き出しておきます。社寺の授与所、地方のバス、小さな食堂など、現金のみの場所はまだあります。
  2. 朝ごはんと水。 ホテルの朝食をつけないなら、おにぎりとお茶で十分です。温かいものが欲しければ、肉まんやおでん(季節や店による)、弁当を温めてもらえます。
  3. ごみ袋代わりの小さな袋を一つ。 日本の街には公共のごみ箱が少なく、ごみは持ち帰るのが基本です。かばんに小さな袋を一つ入れておくと困りません。
  4. 荷物を送る。 宅配便の発送を受け付ける店なら、重いお土産を自宅やホテル、空港へ送れます。送れる先と料金は店で確認しましょう。
  5. 夜の安心。 道に迷ったとき、体調が悪いとき、明るく人のいるコンビニは一息つける場所です。大地震のときの「災害時帰宅支援ステーション」については次の節で。

出国の日の免税手続きや出国税など、2026年に変わった旅のルールは2026年の日本旅行で変わったことにまとめています。

なぜコンビニが災害対策に組み込まれているのか?

どこにでもあり、遅くまで開き、品物が絶えず補充されるからです。国はいまや大手チェーンを公共的なインフラとして扱っていて、セブン‐イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートは2017年7月1日から、災害対策基本法に基づく「指定公共機関」になっています。電力会社や放送局、交通事業者と同じ枠組みです。

内閣府の指定公共機関の一覧には、今もこの3社とスーパー各社の名前があります。指定されると、救援物資の輸送への協力など、国の防災計画の中での役割を担います。指定当時の報道は、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震で小売業が大きな役割を果たしたこと、一方で避難所までの「ラストワンマイル」が課題として残ったことを伝えています。

地域の防災計画にもコンビニは登場します。首都圏の九都県市は、コンビニやファミリーレストラン、ガソリンスタンドと協定を結び、災害時帰宅支援ステーションとしての協力を得ています。横浜市の案内によると、協定に参加した店は入口などにステッカーを掲示し、できる範囲で水道水やトイレ、地図による道路情報、ラジオなどで得た災害情報、一時的な休憩の場を提供します。大きな地震で電車が止まったとき、このステッカーを知っているかどうかで心強さが違います。備えの全体像は日本の災害対策で。

コンビニは本当に24時間開いている?

多くはそうですが、すべてではありません。そしてそれ自体が社会の課題になりました。2019年2月、人手不足に悩んだ東大阪市のフランチャイズ店のオーナーが営業時間を短縮したことをきっかけに、経済産業省は「新たなコンビニのあり方検討会」を設け、2020年2月に報告書をまとめました。

検討会は札幌から福岡まで各地でオーナーからの聞き取りを行い、各チェーンには加盟店を支える行動計画が求められました。今は夜間に閉める店もあります。深夜3時に開いているコンビニを見かけたら、その時間に誰か(多くはオーナー自身)が働いているということです。レジでの短い「ありがとう」は、小さくない意味を持ちます。

なぜ、ここまでうまく回っているのか?

小さく、こまめな用事に合わせて作られ、近くに住む人が営んでいるからです。コンビニは技術の驚異というより、一回ごとの取引を通じて町の面倒を見る習慣だと考えると腑に落ちます。

日本の世帯は小さく、都市の住まいは収納が少ないので、少しずつ、こまめに買います。歩いて数分のところに、今日の昼ごはんを売り、今日の請求書を受け付け、今日の荷物を預かってくれる店がある。その暮らし方にぴったり合っているのです。旅行者が感じる質の高さは、きれいな街並みや壊されない自販機と同じところから来ています。たくさんの人が、小さなことを丁寧にしているということです。おにぎりを包む工場の人、夜中に配送するドライバー、毎朝店の前を掃くオーナー。すべてが当たり前に見えるときほど、その人たちのことを思い出したいものです。

よくある質問

海外のカードはコンビニのATMで使える? たいてい使えます。セブン‐イレブンのセブン銀行ATMは、多くの海外のキャッシュカード、クレジットカード、デビットカードに対応し、案内は12言語あります。カード発行元の手数料がかかることがあります。

店の中で食べてもいい? イートインコーナーがある店で、その店で買ったものなら大丈夫です。店内飲食は10%、持ち帰りの飲食料品は8%です。

コンビニのごみ箱に捨ててもいい? その店で買ったもののごみを、正しく分けて捨てるのは大丈夫です。家庭ごみはやめましょう。

旅行者でも住民票を印刷できる? できません。コンビニ交付は、対応している市区町村に住民登録があり、マイナンバーカードを持っている人のためのサービスです。

トイレは借りられる? 貸してくれる店は多いですが、夜間などは使えない店もあります。「トイレをお借りしてもいいですか?」と一声かけ、何か買うのが丁寧なお礼です。

ホテルから遠い場所で地震にあったら? まずは公的な指示に従ってください。歩いて帰る場合は「災害時帰宅支援ステーション」のステッカーがある店を探しましょう。できる範囲で水道水、トイレ、道路情報を提供してくれます。

出典と確認日(すべて2026-10-26に確認)

3月の版からの主な変更: 会社や一次資料で確かめられなかった数字(セブン‐イレブンのおにぎり年間22億個、120円のおにぎり)と、「多くの国が模倣しようとしたが成功例は限られる」という記述を削りました。「2011年の震災でコンビニが店舗を開放し拠点になった」という一般的な記述は、2017年の指定公共機関への指定と帰宅支援ステーションの協定という確認できる事実に置き換え、使い方の実用的な節を加えました。

J-Times 編集部(2026年10月26日時点の情報)

#convenience store#etiquette#Japan travel tips#konbini#living in Japan

この記事について

執筆
J-Times 編集部
公開
更新

出典は本文中と末尾に示しています。誤りに気づいたらお知らせください。 編集方針・訂正のご連絡

J-Times は Jon&Coo Inc. が運営しています。

この記事を共有する

著者

J-Times Editorial

J-Times 編集部 / J-Times Editorial Team