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第6回 日本に老舗が多いのはなぜ? — 金剛組の1400年と、続けるための知恵

和のこころ、ひもとく

第6回 日本に老舗が多いのはなぜ? — 金剛組の1400年と、続けるための知恵

9 分

日本に老舗が多いのはなぜ? 創業100年超は《4万6,708社|よんまんろくせんななひゃくはっしゃ》。最古とされる金剛組の1400年は、焼失・困窮・2006年の経営の行き詰まりを越えて「技と仕組み」が受け継がれた記録でした。老舗が多い4つの理由、倒産の現実、「三方よし」の本当の出どころ、今日から使える続けるための知恵まで、ケンゾーとキョウコがひもときます。

この番組の声は AI で作っています。

番組メモ

  • 創業100年超 4万6,708社(3.11%、2025年12月・帝国データバンク)。老舗の倒産は2024年に145件で過去最多
  • 金剛組(578年)は2006年に一族経営が途切れ、技と宮大工が引き継がれた。「しにせ」は「仕似す」から

記事で読む(写真・出典つき)

日本に老舗が多いのはなぜ? 金剛組の1400年と、100年続く商いの条件

この番組について

この番組の声は AI(ElevenLabs Eleven v4)で作っています。内容は J-Times 編集部が公式の情報と公開記事の出典で確認したものです(2026年10月26日時点)。テーマ曲: 「和(WA)」高橋高(アルバム『直霊 ─ NAOHI ─』)。BGM: 「Morning Town」高橋高(Suno で制作)。J-Times は Jon&Coo Inc. が運営しています。

台本(文字起こし)

番組の会話をそのまま文字にしたものです。声は AI で作っています。

キョウコ:ねえケンゾーさん。京都を歩いていると、創業何百年、っていう、のれんのお店によく出会うんです。どうして日本には、こんなに古いお店が多いんでしょう。

ケンゾー:気になりますよね。でも、実際の記録を読むと、何もなく続いた、という話は、ほとんどないんです。焼けて、借金をして、何度も途切れかけて。そのたびに、誰かが手を打ってきた。

キョウコ:平穏に続いたわけじゃ、ないんですね。

ケンゾー:今日は、それを、いっしょにひもといていきましょう。

ケンゾー:J-Times のポッドキャスト、和のこころ、ひもとく。案内役のケンゾーです。

キョウコ:聞き手のキョウコです。この番組の声は、AIで作っています。お話の中身は、J-Times 編集部が、企業調査の会社や、国、会社自身の記録で確かめたものです。

ケンゾー:第6回の問いは、これです。日本に、老舗が多いのは、なぜなのか。そして、そこから、わたしたちは何を学べるのか。

キョウコ:まず、どのくらいあるんですか?

ケンゾー:帝国データバンクの集計では、2025年12月の時点で、創業100年を超える会社は、4万6,708社。全部の会社の、3.11パーセントです。1,000年を超える会社も、11社あります。

キョウコ:1,000年!

ケンゾー:ただ、多くは、明治と大正に生まれて、100年を越えた会社です。江戸時代より前からの会社は、ぐっと少ない。そして、都道府県で老舗の割合がいちばん高いのは、京都府。調査会社は、その理由のひとつに、戦災が比較的少なかったことを挙げています。

キョウコ:建物ごと焼けてしまったら、続けたくても、続けられない。

ケンゾー:そうなんです。老舗の多さは、文化だけでなく、地理と歴史の偶然にも、支えられているんです。

キョウコ:いちばん古い会社は、どこなんですか?

ケンゾー:大阪の、金剛組。お寺や神社を建てる会社で、578年の創業とされています。会社の記録によると、聖徳太子に招かれて、百済から3人の工匠が来た。そのひとり、金剛重光が、初代です。四天王寺を建てたあとも、この地に留まって、寺を守ったと伝えています。

キョウコ:1400年以上前から。ずっと、同じ一族で?

ケンゾー:そこが、大事なところです。記録を追うと、1576年には、戦に巻き込まれて、四天王寺の伽藍が焼けた。1801年ごろには、落雷で五重塔が焼けた。明治には、お寺が土地を失って、仕事が苦しくなった。

ケンゾー:1932年には、仕事に困った末に、当主を失います。そのとき、妻のよしえさんが、歴代で初めての、女性の棟梁として、家業を継ぎました。戦争中は、お寺の仕事が途絶えて、軍用の木箱を作って、しのいだそうです。

キョウコ:木箱を作ってでも、つないだ。

ケンゾー:そして2006年。借金の返済が難しくなって、一族による経営は、ここで途切れます。今は、髙松建設のグループの一員です。

キョウコ:えっ、最古の老舗が、一度は。

ケンゾー:ええ。でも、金剛組という名前と、技と、宮大工たちは、引き継がれました。宮大工は、棟梁が率いる七つの組に分かれて、匠会という場で、互いに教え合いながら、若い人を育てている、と会社は書いています。

ケンゾー:つまり、続いたのは、一族というより、技と、それを受け継ぐ仕組み。そう見るほうが、記録には合っているんです。

キョウコ:では、日本に老舗が多い理由を、まとめると?

ケンゾー:記録から言えるのは、4つです。ひとつ。戦災が少なく、途切れにくい場所があった。ふたつ。お店を、個人の持ち物ではなく、家のものとして預かり、血がつながっていなくても継いできた。

キョウコ:血がつながっていなくても?

ケンゾー:跡取りがいなければ、婿養子を迎える。奉公人から番頭を育てる。お店の名を分けて独立させる、暖簾分けもありました。今の数字にも表れていて、2025年に社長が代わった会社では、社内から昇格した人が、親族が継ぐ場合を、初めて上回りました。

ケンゾー:みっつ。本業の看板を守りながら、稼ぎかたを変えてきた。老舗の業種でいちばん多いのは、じつは、貸事務所業です。長く持ってきた土地に、ビルを建てたんですね。

キョウコ:ちょっと、意外です。

ケンゾー:よっつ。時間を味方にする産業が多い。業種で老舗の割合がいちばん高いのは、日本酒づくりで、91.9パーセント。醤油や味噌も、上位に並びます。蔵と、微生物と、水と、杜氏の技。最初から、短く終わることを、前提にしていない仕事なんです。

キョウコ:じゃあ、老舗なら、もう安泰ですね。

ケンゾー:そうでもないんです。100年を超える老舗の倒産は、2024年に145件で、過去最多でした。原因の多くは、販売不振。値上げを価格に移せないことも、要因に挙げられています。後継者が決まっていない会社も、まだ半分あります。

キョウコ:100年は、ゴールじゃなくて、毎年、続けるかどうかを、問われ続けるんですね。

キョウコ:よく、三方よし、っていう言葉を聞きます。売り手よし、買い手よし、世間よし。あれは、近江商人の昔の言葉ですか?

ケンゾー:考えかたは、近江商人の心得として語られてきました。ただ、三方よし、という言葉そのものは、滋賀大学の研究者が、1988年の本で使ったのが最初とされます。言葉は新しい。でも、考えかたが新しいわけではない。なので、近江商人の精神を、後の研究者が三つにまとめた言葉、と紹介するのが正確です。

キョウコ:老舗から、わたしたちが今日から学べることは、ありますか?

ケンゾー:記事では、7つの手順にまとめました。今日は、そのうち3つを。ひとつめ。変えないものと、変えるものを、紙に分けて書く。金剛組は、伝統の技を守りながら、鉄筋コンクリートで寺を建てる方法も、早くから開発していました。守ったのは、技と、仕事の相手。方法は、変えたんです。

ケンゾー:ふたつめ。技を、人ではなく、仕組みで渡す。匠会のように、教え合う場を常に持っておけば、名人が一人抜けても、技が途切れにくい。

ケンゾー:みっつめ。家訓を、一枚に書く。金剛組の第32代は、焼けた塔を建て直した苦労を、家訓としてまとめ、遺言に残しました。長い理念でなくていい。わたしたちは誰のために、何をしないか。それを一枚に。

キョウコ:会社じゃなくても、使えますね。家族のこと、チームのこと、地域の集まりにも。

ケンゾー:まさに。それから、老舗という言葉。辞書によると、しにせは、仕似す、という動詞から来ています。先代の仕事に、似せる、という意味です。

ケンゾー:似せる、というのは、同じことを繰り返すことではなくて、時代が変わっても、同じ信用に届くように、やりかたを合わせ直すこと、なんだと思います。

キョウコ:今日の話を聞いて、思ったんです。老舗って、古いお店じゃなくて、続けることを、選び直してきた人たちの、記録なんですね。

ケンゾー:いい言葉ですね。最後に、明日できる小さなことを、ひとつ。自分の仕事や、家のことで、これを変えたら自分たちでなくなる、というものを、三つだけ書き出してみてください。それ以外は、変えていい。

キョウコ:わたしは、旅先で老舗に入ったら、撮影の前にひと声かけて、由来を聞いてみます。のれんの向こうは、仕事場ですもんね。

ケンゾー:金剛組の年表、老舗の数の表、事業承継の7つの手順と出典は、J-Times の記事、日本に老舗が多いのはなぜ、にまとめています。番組の説明欄から読めます。

キョウコ:次回もお楽しみに。

ケンゾー:和のこころ、ひもとく。お相手は、ケンゾーと、

キョウコ:キョウコでした。またね。