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日本の食事マナー — 寿司・ラーメン・居酒屋で何に気をつければいい?【2026年版】
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日本の食事マナー — 寿司・ラーメン・居酒屋で何に気をつければいい?【2026年版】

外さない芯は「いただきます・ごちそうさま」と、葬儀を連想させる箸づかいをしないこと。寿司は手でも箸でもよく、麺はすすってよい。お通し・チップ・アレルギー・たばこまで、出典つきで

J-Times Editorial

J-Times 編集部 / J-Times Editorial Team

2026年4月17日更新: 2026年10月26日18 min501 閲覧
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日本の食卓でいちばん大事なのは「いただきます」「ごちそうさま」と、葬儀を連想させる箸づかいを避けること。寿司は手でも箸でもよく、麺はすすってかまわない。居酒屋のお通しは有料、チップは不要。入店から会計までの流れと、作法の理由、よくある失敗の直し方を出典つきでまとめる。

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答え(2026-10-26時点):守るべき芯は二つだけ。食事の前後に「いただきます」「ごちそうさま(でした)」と言うこと、そして葬儀を連想させる箸づかい(ご飯に箸を立てる・箸から箸へ食べ物を渡す)をしないこと。そのうえで、寿司は手でも箸でもよく、そば・うどん・ラーメンはすすってかまいません。居酒屋で最初に出る「お通し」は有料で、チップは要りません。

日本の店で緊張するのは、ルールを知らないからというより、「何が本当に大事で、何は気にしなくていいのか」の区別がつかないからだと思います。ガイドブックには「わさびを醤油に溶くのは素人」「ラーメンは30分以内に」といった言い切りも出回っていますが、職人や店主に聞けば答えは店ごとにまちまちです。

この記事では、外さない芯と、店によって違う「好み」の部分を分けて書きます。数字や制度は日本政府観光局(JNTO)、経済産業省、厚生労働省、自治体などの資料で確かめ、末尾に出典と確認日をまとめました。

日本の食事マナーで、いちばん大事なことは?

「いただきます」と「ごちそうさま」。この二言があれば、多少箸づかいがぎこちなくても、作法を大切にする人だと伝わります。

「いただく」は、もともと頭の上に載せる、目上の人から物を受け取るときに頭上にささげる、という所作から来た言葉で、そこから「もらう」「食べる」の謙譲語になったと説明されます。食事の前に言う「いただきます」は、食材になった命、育てた人、料理した人への感謝の言葉として定着しました。ニッポンドットコムの解説も、自然や食材の命、作ってくれた人への感謝を表す習慣として紹介しています。

言い方に決まりはありません。軽く手を合わせて小声で言えば十分です。食べ終わったら「ごちそうさまでした」。店を出るときに、カウンターの向こうの料理人やレジの人へ一言かけると、たいてい「ありがとうございました」と返ってきます。

箸でしてはいけないことは?

特に避けたいのは「立て箸」と「箸渡し」。どちらも葬儀の作法と重なるからです。

  • 立て箸(仏箸):ご飯に箸を突き立てる。亡くなった人の枕元に供える「枕飯」の形と同じになります。
  • 箸渡し(合わせ箸・拾い箸):箸から箸へ食べ物を受け渡す。火葬のあと、二人で一つの骨を箸で拾って骨壺に納める「骨上げ」を思わせます。料理を分けたいときは、相手の取り皿に置いて、相手に自分で取ってもらいます。

JNTO の解説も、この二つを葬儀に結びつくタブーとして挙げています。このほか、「嫌い箸」「忌み箸」と呼ばれる箸づかいは数多くあります。

  • 刺し箸:料理に箸を突き刺して取る。
  • 迷い箸:どれを取ろうか、料理の上で箸をさまよわせる。
  • 寄せ箸:箸で器を引き寄せる。器は手で動かします。
  • ねぶり箸:箸先をなめる。ニッポンドットコムは、箸についた米粒は唇でしごき取らず、もう一度ご飯と一緒に口へ運ぶとよい、としています。
  • 指し箸:箸で人や物を指す。
  • 渡し箸:食事の途中で、箸を器の上に橋のように渡して置く。『デジタル大辞泉』も嫌い箸の一つとして「不作法」としています。

最後の「渡し箸」は、海外のマナー解説で「箸置きがなければ器の上に渡して置けばよい」と逆に勧められていることがあるので注意が必要です。箸置きがないときは、箸袋を折って箸置きにするのが日本の店ではよく見る方法です。大皿から取るときは取り箸を使い、なければ店の人に「取り箸をいただけますか」と頼みます。自分の箸を逆さにして取る「逆さ箸」は、手が触れた側で取ることになるので、改まった席ではかえって嫌う人もいます。

箸の持ち方そのものは、うまくなくても失礼にはなりません。気になる人は、日本の箸のマナー — やってはいけないタブーと、その理由と、良い箸を一膳選ぶための若狭塗の塗箸の選び方と手入れもどうぞ。

入店から注文まで、何に気をつければいい?

予約は守る、おしぼりは手だけ、アレルギーは自分から伝える。この三つで、たいていの行き違いは防げます。

予約と無断キャンセル。 経済産業省が2018年に公表した「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」は、当日の無断キャンセルによる飲食業界の損害を年間約2,000億円と推計しました。カウンター8席の寿司店なら、空いた2席はその夜の仕入れがそのまま無駄になる、ということです。行けなくなったら必ず連絡を入れ、コース予約のキャンセル規定は先に読んでおきましょう。

おしぼり。 席に着くと濡れたおしぼりが出ます。JNTO の案内どおり、まず手を拭くためのものです。顔や首を拭くのは、気心の知れた居酒屋で見かけることはあっても、上品とは受け取られません。

水とお茶。 多くの店で、水(お冷)やお茶は注文しなくても無料で出てきます。

持ち込みと持ち帰り。 東京観光財団(GO TOKYO)は、外からの飲食物の持ち込みや食べ残しの持ち帰りは、たいてい認められていないと案内しています。持ち帰りたいときは、店の人に聞いてください。

たばこ。 2020年4月に全面施行された改正健康増進法で、飲食店は原則として屋内禁煙になりました。例外として喫煙専用室などを設けた店や、条件を満たす既存の小規模店では吸える場所があり、その場合は入口に標識の掲示が義務づけられています。東京都の条例は、従業員のいる飲食店を原則屋内禁煙としています。たばこの煙が苦手な人は、入口の標識を見てから入ると安心です。

アレルギーと食事制限。 食品表示法でアレルギー表示が義務づけられているのは、容器包装された加工食品です。堺市の事業者向けページは、飲食店や店頭での対面販売について「容器包装に入れられた加工食品や添加物を除き、表示の義務はありません」と明記しています。政府広報オンラインも、外食やテイクアウトの店では、アレルギー情報の提供は店ごとの判断に任されていると説明しています。消費者庁は、外食・中食の事業者が自主的に情報を出すための手引きを公表しています。つまり、メニューに書いていないことは「入っていない」という意味ではありません。アレルギーや宗教上の制限がある人は、日本語で書いたカードを用意して、注文の前に見せるのが確実です。和食のだしには、かつお節など魚が使われることが多い点も覚えておくとよいでしょう。

値段の表示。 2021年4月から、消費者に前もって示す価格は消費税込みの「総額表示」が義務になっています(国税庁)。メニューの値段は、原則として税込みと考えて大丈夫です。

寿司はどう食べればいい?

京都の回転寿司店で、すし職人がレーンに皿を流している。
京都の回転寿司店で、すし職人がレーンに皿を流している。
写真:Marek Ślusarczyk (Tupungato) / Wikimedia Commons / CC BY 3.0(2016年11月27日撮影、京都)

握りは手でも箸でもかまいません。醤油はシャリではなくネタに少しだけ。ガリは合間の口直しです。

かつては手でつまむのが主流でしたが、いまはどちらでもマナー違反ではない、というのが多くの解説の一致した見方です。刺身は箸で食べます。

  • 醤油:小皿には少しだけ注ぎます。握りを横に倒し、ネタの先を軽く醤油につけます。シャリを浸すと醤油を吸って崩れ、職人が決めた塩加減も変わってしまいます。軍艦巻きのように倒しにくいものは、ガリに醤油を含ませてネタに塗る方法もあります。
  • わさび:カウンターの店では、多くの場合、職人がネタとシャリの間にすでに入れています。足りなければネタに少し載せるか、職人に頼みます。わさびを醤油に溶くこと自体は回転寿司などでは普通に見かける食べ方で、「素人のしるし」と決めつけるほどのことではありません。ただ、職人が一貫ずつ味を決めて出す店では、まずそのまま一貫食べてみるのが礼儀です。わさびが苦手なら、注文時に「さび抜きで」と言えば応じてくれる店がほとんどです。
  • ガリ:甘酢に漬けた生姜は、ネタとネタの間に口の中をさっぱりさせるためのものです。手で寿司を食べていても、ガリは箸で取ります。
  • 一口で:握りは一口で食べられる大きさに作られています。かじって皿に戻すのは避けましょう。

カウンターの店では。 職人に直接注文してかまいません。迷ったら「おまかせ」で頼めば、その日の良いネタを順に出してくれます。強い香水は、魚の繊細な香りを邪魔するので控えます。写真は撮る前に一言たずねるのが無難です。

回転寿司では。 一度取った皿はレーンに戻しません。最近はタッチパネルで注文し、専用レーンで席まで届く店が多くなりました。卓上の醤油差しやガリの容器、粉茶は共用なので、清潔に使います。

ラーメンはすすっていいの?

東京のラーメン店の入口にある食券機。メニューの写真つきボタンが並ぶ。
東京のラーメン店の入口にある食券機。メニューの写真つきボタンが並ぶ。
写真:Nikos Roussos / Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0(2020年1月10日撮影、東京)

すすってかまいません。ただし「すすらないと失礼」でもありません。

JNTO は、食事中に音を立てるのは一般に行儀が悪いとしたうえで、そば・うどん・ラーメン・そうめんといった麺類やみそ汁は例外で、すする音は普通のことだと説明しています。つまり、すすってよいのはラーメンに限りません。英オックスフォード大学のチャールズ・スペンス教授らの研究では、熱いスープをすすって口に入れたほうが風味を強く感じた、という結果も出ています。とはいえ、すするのが苦手なら、れんげに麺を取って静かに食べても誰も気にしません。

食券制の店では。 入口の券売機で先に食券を買い、席でカウンター越しに渡します。麺の硬さや量を聞かれたら、迷ったときは「普通で」。

一人一杯。 小さな店では、一人一杯の注文をお願いしていることがよくあります。沖縄・石垣島のカウンター8席の店が「一人一杯」の貼り紙を出した例が報じられたように、席数が少ない店ほど切実な問題です。

長居はしない。 昼どきに行列ができる店では、食べ終わったら早めに席を空けるのが暗黙の了解です。「何分以内」という決まりがあるわけではありません。

スープは全部飲むべき? 飲み干すと喜ぶ店主はいますが、義務ではありません。塩分が気になる人は残してかまいません。

居酒屋では何に気をつければいい?

京都・祇園の居酒屋。生け簀を囲むカウンター越しに料理人が働く。
京都・祇園の居酒屋。生け簀を囲むカウンター越しに料理人が働く。
写真:Mx. Granger / Wikimedia Commons / CC0(2018年11月14日撮影、京都・祇園)

最初の一杯は全員そろってから「乾杯」。注がれるときはグラスを持ち上げ、注ぐときは相手のグラスに。お通しは有料です。

乾杯まで待つ。 飲み物が全員に行き渡ったら、誰かが「乾杯」と声をかけ、そこで初めて口をつけます。お酒が飲めない人は、ソフトドリンクやお茶で乾杯に加われば十分です。

お酌。 瓶ビールや日本酒は、互いに注ぎ合うのが昔からの作法です。JNTO は、注ぐときは両手で、注いでもらうときはグラスを両手で持つよう勧めています。目上の人と飲む席では、相手のグラスが空きそうになったら気づいて注ぐ、という気配りが喜ばれます。一方で、気心の知れた仲間うちや一人飲みでは、自分で注ぐ(手酌)のも今では普通のことです。「自分で注ぐのは絶対にだめ」というほど厳格なものではありません。

お通し。 席に着いて飲み物を頼むと、注文していない小鉢が出てくることがあります。これが「お通し」で、席料を兼ねた有料の一品です。価格は店によって違いますが、300〜500円ほどが多いとされ、飲食店ドットコムを運営するシンクロ・フードが2023年8月に首都圏の小規模店を中心に行った調査では、300円台が約4割でした。同じ調査で「お通しカット」に応じられると答えた店は約2割。断りたいなら、出される前、席に着くときに聞くのが筋です。

頼み方と会計。 居酒屋は小皿料理をいくつか頼んで皆で分けるのが基本です。会計は、グループなら総額を人数で割る「割り勘」が一般的です。

お金の払い方とチップは?

チップは要りません。会計は多くの店でレジです。

JNTO は、日本ではチップは期待されておらず、受け取らない店員もいると案内しています。感謝は言葉で伝えれば十分です。高級店やホテルのレストランでは、伝票にサービス料が上乗せされる場合があります。これはチップではなく、店があらかじめ決めている料金です。

日本の店では、伝票を持って入口近くのレジで払う形が多く見られます。テーブルで会計する店では、店員が伝票を挟んだ板やバインダーを持ってきます。

経済産業省によると、2025年の日本のキャッシュレス決済比率(新しい「国内指標」)は58.0%で、国際比較用の従来指標では46.3%でした。カードはかなり使えるようになりましたが、小さな店や屋台では今も現金だけのところがあります。現金を少し持っておくと安心です。チップをめぐる日本人の考え方は、日本にチップはいらない — 値段に「おもてなし」が含まれている理由で詳しく書いています。

食べ歩きはしてはいけない?

一律禁止ではありません。ただ、混んだ場所で歩きながら食べるのは避けます。

鎌倉市は2019年4月、「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」を施行し、狭い場所や混雑した場所で歩きながら飲食して、他人の衣類を汚すおそれのある行為を迷惑行為の一つに挙げました。罰則はなく、禁止ではなくマナーの呼びかけです。

市場や商店街では、買った店の前やベンチで食べ、ごみはその店に返すか持ち帰るのが基本です。築地場外市場の具体的なルールは築地場外市場の歩き方にまとめています。

なぜ日本の食卓には、こんなに作法があるのか

作法の多くは、相手の目に「どう映るか」から生まれています。箸のタブーの多くが葬儀の所作と重なっているのは、食卓に死の影を持ち込まないためです。醤油をネタにだけつけるのは、職人が決めた塩と酢と温度の釣り合いを崩さないため。お酌は、相手のグラスに目を配っていますという小さなしるしです。

日本の料理人は、出汁ひとつ取るにも手間を惜しみません(その奥にある味の考え方はうま味とは何かで書きました)。作法は、その手間に対する受け手側の返事のようなものです。完璧である必要はなく、「大切にしようとしている」ことが伝われば、日本の店はたいてい温かく迎えてくれます。和を以て貴しとなす、という古い言葉の実践は、案外こうした小さな気配りの積み重ねなのかもしれません。

出かける前のチェックリスト

  • 「いただきます」「ごちそうさまでした」を言えるようにしておく
  • ご飯に箸を立てない、箸から箸へ渡さない
  • 箸置きがなければ、箸袋を折って箸置きにする
  • 予約した店に行けなくなったら必ず連絡する
  • アレルギーや食事制限は、日本語のカードで先に伝える
  • 居酒屋のお通しは有料、と知っておく
  • チップは置かない。小銭程度の現金は持っておく
  • 混んだ通りでは歩きながら食べない

よくある失敗と、その場での直し方

  • ご飯に箸を立ててしまった。 すぐ抜いて、箸置きか箸袋の上に置けば大丈夫です。
  • 料理を箸から箸へ渡そうとした。 「すみません」と言って、相手の取り皿に置き直します。
  • わさびが多すぎた。 無理せず、お茶やガリで口を休めます。次からは「さび抜きで」と頼みます。
  • お通しを頼んでいないと思った。 席料を兼ねた一品だと考えて受け取るのが普通です。どうしても不要なら、次からは座る前に聞きましょう。
  • チップを置いて店員が追いかけてきた。 「ありがとう、ごちそうさまでした」と受け取れば、それで終わりです。

よくある質問

「いただきます」は一人で食べるときも言う?

言う人は多いです。 誰かに聞かせる挨拶というより、食べ物への感謝の言葉なので、一人でも小さく口にする人がいます。

箸が苦手なら、フォークを頼んでもいい?

かまいません。 観光客の多い店ではフォークやスプーンを置いていることもあります。ラーメンのれんげは、麺を受けるのに使ってもかまいません。

寿司を手で食べるのはマナー違反?

違反ではありません。 握りは手でも箸でもよいとされています。手で食べるなら、おしぼりで指を拭きながら。刺身とガリは箸で取ります。

ラーメンをすすれないと失礼?

失礼ではありません。 麺類やみそ汁ではすする音が許されている、というだけで、すするのが義務ではありません。

居酒屋のお通しは断れる?

店によります。 調査では「お通しカット」に応じられる店は約2割でした。断るなら、出される前に聞きましょう。

チップを渡したら失礼?

失礼というより、相手が困ります。 JNTO も、チップは期待されておらず、受け取らない店員もいると案内しています。感謝は「ごちそうさまでした」で伝わります。

ほかの場面の作法は、日本で恥をかかないための完全マナーガイド、移動中の作法は日本の電車・バス・タクシーのマナーもあわせてどうぞ。

出典と確認日(2026-10-26)

文・J-Times 編集部(2026-10-26時点の情報)

#Craftsmanship#Inbound#Local Guide

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執筆
J-Times 編集部
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