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第4回 九谷焼・備前焼・益子焼、どう違う? — 器の「表面」を見れば、物語が読める

和のこころ、ひもとく

第4回 九谷焼・備前焼・益子焼、どう違う? — 器の「表面」を見れば、物語が読める

10 分

九谷焼・備前焼・益子焼、どう違う? 答えは器の表面にある「絵・土肌・釉薬」。色絵の磁器、炎と土だけの焼き締め、暮らしの厚手の陶器の成り立ちと、窯変の名前、見分け方の3つの手順、伝統証紙、電子レンジや手入れまで、ケンゾーとキョウコがひもときます。

この番組の声は AI で作っています。

番組メモ

  • 九谷は「絵」、備前は「土肌」、益子は「釉薬」。表面で見分ける3つの手順
  • 窯変(胡麻・桟切・緋襷・牡丹餅)、伝統証紙の意味、電子レンジ・直火の扱い

記事で読む(写真・出典つき)

九谷焼・備前焼・益子焼の違いとは? 産地・見分け方・使い方と手入れ【2026年版】

この番組について

この番組の声は AI(ElevenLabs Eleven v4)で作っています。内容は J-Times 編集部が公式の情報と公開記事の出典で確認したものです(2026年10月2日時点)。テーマ曲: 「和(WA)」高橋高(アルバム『直霊 ─ NAOHI ─』)。BGM: 「Morning Town」高橋高(Suno で制作)。J-Times は Jon&Coo Inc. が運営しています。

台本(文字起こし)

番組の会話をそのまま文字にしたものです。声は AI で作っています。

キョウコ:ねえケンゾーさん。実家の食器棚に、ずっしり重たい茶色の湯のみがあるんです。母は、これはいい焼き物よ、って言うんですけど、何焼きなのか、わたし、ぜんぜんわからなくて。

ケンゾー:それは、いい入口ですね。じつは焼き物は、表面をよく見ると、どこで、どう生まれたかが、だいたい読めるんです。

キョウコ:表面に、書いてあるんですか?

ケンゾー:文字ではなく、色と、土と、炎の跡で。今日は、それをいっしょにひもといていきましょう。

ケンゾー:J-Times のポッドキャスト、和のこころ、ひもとく。案内役のケンゾーです。

キョウコ:聞き手のキョウコです。この番組の声は、AIで作っています。お話の中身は、J-Times 編集部が、国や産地の組合の公式の情報で確かめたものです。

ケンゾー:第4回の問いは、これです。九谷焼、備前焼、益子焼。名前は聞くけれど、いったい、どう違うのか。

キョウコ:3つとも、有名ですよね。

ケンゾー:どれも、国の伝統的工芸品です。でも、共通点はそこまで。先に答えを言うと、九谷は絵、備前は土肌、益子は釉薬。器の表面が、このどれなのかで、見分けられます。

キョウコ:絵、土肌、釉薬。もう覚えちゃいました。

ケンゾー:では、ひとつずつ。まず、九谷焼。石川県の磁器です。持ち味は、上絵付け。力強い線描きの上に、緑、黄、赤、紫、紺青の、五彩と呼ばれる色を、厚く盛ります。

キョウコ:色を、盛る? 塗るんじゃなくて?

ケンゾー:そうなんです。まだ色の出ていない絵具を置いて、窯の炎で発色させて、ガラスのように変える。だから九谷の色には、ぽってりとした厚みと輝きがあるんです。

キョウコ:炎で、色が生まれるんですね。

ケンゾー:始まりは、17世紀の半ば。産地の組合によると、1655年ごろ、大聖寺藩が、窯を開きました。のちに古九谷と呼ばれる器です。

ケンゾー:ところが古九谷は、わずか半世紀ほどで、途絶えてしまう。そしておよそ100年後、加賀藩の後押しで、もう一度焼かれるようになりました。これが、再興九谷です。

キョウコ:一度、消えたのに、よみがえったんですね。

ケンゾー:ええ。ちなみに、古九谷は、じつは佐賀県の有田で作られたのでは、という説もあります。石川県九谷焼美術館は、それを一説として紹介したうえで、九谷で生まれた、という立場をとっています。

キョウコ:説が分かれていることも、ちゃんと、そう言うんですね。

ケンゾー:歴史の楽しいところです。では、ふたつめ。備前焼。岡山県備前市の、伊部という土地を中心にした、焼き締めの器です。

ケンゾー:備前焼は、釉薬も、絵付けも、使いません。土と、灰と、炎だけで、色と模様が決まるんです。

キョウコ:何も塗らないで、あの色になるんですか!

ケンゾー:登り窯で、赤松の薪を燃やして、およそ1230度。窯によって違いますが、1週間から2週間ほど、薪を焚き続けます。

キョウコ:2週間も、火の番を。

ケンゾー:土は、伊部のまわりの田んぼの下から掘る、ひよせ、と呼ばれる土です。鉄分が多くて、採れる場所は、ごくわずかだそうです。

ケンゾー:そして、窯の中で偶然に生まれる変化を、窯変と呼びます。代表的なものには、名前があるんですよ。

キョウコ:聞きたいです!

ケンゾー:胡麻。薪の灰が降りかかって溶けた、つぶつぶの模様。桟切。炭に埋もれて、灰色や青みを帯びた部分。緋襷。器に巻いた藁が、赤い筋になって残ったもの。

キョウコ:次は、なんですか?

ケンゾー:牡丹餅。大きな器の上に、小さな器を載せて焼くと、その丸い形が、ぽっかりと残るんです。

キョウコ:牡丹餅! かわいい名前。

ケンゾー:同じ窯変は、ふたつとありません。だから備前焼は、一点ごとに、景色が違う。平安時代にはもう作られていて、室町時代の終わりごろから、茶人に愛されてきました。日本六古窯の一つで、2017年には、日本遺産にも認定されています。

キョウコ:あ。実家の茶色の湯のみ、もしかして。表面に、つぶつぶがあった気がします。

ケンゾー:今度、よく見てみてください。では、みっつめ。益子焼。栃木県の益子町を中心にした、厚手の陶器です。

ケンゾー:始まりは、1853年。笠間で修業した、大塚啓三郎が、益子に窯を築きました。それから長いあいだ、かめや、すり鉢、土瓶といった、台所の道具を焼いて、江戸の台所に送り出していたんです。

キョウコ:毎日の暮らしの道具、だったんですね。

ケンゾー:そこに現れたのが、濱田庄司です。1920年から、イギリスのセント・アイヴスで、バーナード・リーチとともに器を作り、1924年に帰国したあと、制作の拠点に、益子を選びました。

キョウコ:イギリスから、益子へ。

ケンゾー:濱田は、益子の陶工たちに大きな影響を与えて、食卓の器や、花を生ける器も、作られるようになりました。1955年には、人間国宝に認定されています。

ケンゾー:益子焼の表面は、柿釉、黒釉、飴釉といった、釉薬がたっぷりと流れるようにかかっていて、白化粧や、刷毛目の模様も見えます。2020年3月の時点で、町には窯元が、およそ260あるそうです。

キョウコ:こうして並べると、3つとも、目指しているものが、ぜんぜん違うんですね。

ケンゾー:そうなんです。九谷は、人の手で、色を描ききる。備前は、人が手を引いて、炎と土に任せる。益子は、毎日の暮らしに、寄り添う。

ケンゾー:どれが優れている、ということではなくて、それぞれの土地の人が、それぞれの美しさを、何百年も守ってきた。器の違いは、そのまま、暮らしかたと、心の向けかたの違いなんです。

キョウコ:器を見ることが、その土地の人と、出会うことになるんですね。

ケンゾー:では、見分けかたを、3つの手順にまとめます。ひとつ。白や青みのある地に、色の絵がはっきり描かれていたら、九谷焼かもしれない。

ケンゾー:ふたつ。釉薬がなくて、赤褐色から黒っぽい土肌に、灰の粒や、赤い筋、灰色のむらがあれば、備前焼。みっつ。厚い器に、釉薬がたっぷり流れていて、白化粧や刷毛目が見えたら、益子焼。

キョウコ:でも、それで、ぜったいに当たりますか?

ケンゾー:いい質問です。どの産地にも、いろいろな作風がありますし、今の作家さんは、産地の枠を越えた表現もします。一つの器を見極めたいときは、どの窯の、どの作家のものかを、売り手に確かめるのが、いちばん確かです。

ケンゾー:伝統的工芸品としての品なら、国の伝統マークの入った、伝統証紙が貼られていることもあります。産地の検査に合格した、という目印です。

キョウコ:証紙がなかったら、偽物?

ケンゾー:そうとは限りません。個人の作家さんの器など、証紙なしで売られている、いい器もたくさんあります。証紙がないのは、確かめるきっかけであって、偽物の証拠ではないんです。

キョウコ:よかった。じゃあ最後に、使いかたです。電子レンジとか、食洗機は?

ケンゾー:備前焼は、産地の組合によると、電子レンジも食洗機も、おおむね使えます。ただ、作家の作品によっては使えないこともある。オーブンと直火は、だめです。

ケンゾー:それから、ちょっとした楽しみかたがあります。使う直前に、器を水にくぐらせて、軽く押さえるように拭くと、色が鮮やかになるんですよ。使ったあとは、中性洗剤で洗って、しっかり乾かす。濡れたままだと、カビや、においの原因になります。

キョウコ:水にくぐらせると、色が変わるんだ。やってみたい!

ケンゾー:九谷焼は、色絵や、金を使った器が多いので、電子レンジには入れないでください。金や銀の飾りは、火花の原因になります。益子焼は、器ごとに、作り手やお店の説明に従ってくださいね。

キョウコ:産地へ行って、実際に見てみたくなりました。

ケンゾー:それなら、陶器市の時期がおすすめです。益子の陶器市は、例年、春のゴールデンウイークと、秋の11月3日前後。備前焼まつりは、秋の風物詩。九谷茶碗まつりは、毎年5月に、能美市の九谷陶芸村で開かれます。

キョウコ:益子の秋の陶器市って、もうすぐですね!

ケンゾー:例年どおりなら、ですね。今年の日程は、益子焼の組合の案内で、確かめてから出かけてください。

キョウコ:今日の話を聞いて、思ったんです。器って、ただの道具じゃなくて、その土地の、時間と、人の手と、炎の記録なんですね。

ケンゾー:いい言葉ですね。最後に、明日できる小さなことを、ひとつ。食器棚から、器をひとつ取り出して、表面を見てみてください。絵か、土肌か、釉薬か。

キョウコ:わたしは、実家の茶色の湯のみを、つぶつぶを探しながら、じっくり見てみます。胡麻かな、桟切かな。

ケンゾー:答え合わせは、お母さんと、ぜひ。

キョウコ:はい!

ケンゾー:3つの焼き物の比べ表、写真、手入れの詳しい出典は、J-Times の記事、九谷焼、備前焼、益子焼の違いとは、にまとめています。番組の説明欄から読めます。

キョウコ:次回もお楽しみに。

ケンゾー:和のこころ、ひもとく。お相手は、ケンゾーと、

キョウコ:キョウコでした。またね。