J-Times Editorial
Culture Desk
鳥居で一礼し、参道の端を歩き、手水で清め、二拝二拍手一拝でお参りする。神社本庁の案内をもとに、神社のお参りの手順と、その意味をやさしく解説します。お寺との違いも。
この記事を読むと +5 MTC を獲得できます
神社のお参りは、鳥居で一礼 → 参道の端を歩く → 手水で手と口を清める → お賽銭 → 二拝二拍手一拝(にはい・にはくしゅ・いっぱい) の順番が基本です。どれも「神さまの家を訪ねる客」としての、ていねいなあいさつです。神社ごとに作法が違うこともあるので、案内の掲示があればそちらに従いましょう。
結局、何をすればいい?
- 基本は「二拝二拍手一拝」。 深いお辞儀を2回、拍手を2回、最後にもう一度お辞儀をします。
- お参りの前に手水で清める。 左手、右手、口、もう一度左手の順です。
- お寺では拍手をしません。 拍手は神社のお参りの作法です。
なぜ、こんな作法があるの?
神社は、神さまがしずまる場所です。神社本庁によると、鳥居は神社の内と外を分ける境で、鳥居の内側は神域(しんいき。神さまの領域) とされています。
作法の根っこにあるのは、二つの考えです。
- 神さまへの敬意。 よその家に上がるときのように、まずあいさつをし、通り道の真ん中を空け、お願いの前に感謝を伝えます。
- 清らかさ。 神道では、心と体を清めてから神さまに向き合うことを大切にします。神社本庁は、昔の人がお参りの前に「心身を清めること」を欠かせない条件と考えていた、と説明しています(参拝方法)。手水は、その清めを短くした形です。
実際、どんな順番でお参りする?

図: J-Times 作成。作法は神社本庁「参拝方法」によります。
1. 鳥居の前で軽く一礼する
鳥居の前で立ち止まり、軽く頭を下げてからくぐる人が多いです。深さは会釈(約15度)で十分です。お辞儀の深さの目安は「なぜ日本人はお辞儀をするのか」で図にしています。
2. 参道は端を歩く
鳥居から社殿までの道を 参道(さんどう)と言います。神社本庁によると、参道の真ん中は「神さまが通る道」= 正中(せいちゅう)と考えられているため、真ん中を避けて歩く人がいます。
3. 手水舎で手と口を清める

お参りの前に手水舎で手を清める人(2014年)。写真: H.Hmoderato(CC BY-SA 4.0)/Wikimedia Commons
手水舎(てみずや)は、お参りの前に手と口を清める場所です。神社本庁の案内による手順は次のとおりです。
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1 | 右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、水をくんで左手を洗う |
| 2 | 柄杓を左手に持ちかえ、右手を洗う |
| 3 | もう一度右手に持ちかえ、左の手のひらに水をためて口をすすぐ |
| 4 | 最後に、もう一度左手に水を流す |
- 柄杓に直接口をつけません。 口をすすいだ水は、水盤に入らないように静かに出します。
- 柄杓を置いていない神社もあります。その場合は、流れている水で手を清めれば大丈夫です。
4. お賽銭を入れ、鈴を鳴らす
拝殿の前で軽く一礼し、お賽銭を入れます。神社本庁は、お賽銭に決まった額はないこと、投げ入れるより、ていねいに入れるとよいことを書いています。「ご縁(5円)がありますように」と5円玉を入れる人も多いですが、大切なのは気持ちです。
鈴があれば鳴らします。鈴の音には、お参りする人を祓い清める意味があるとされます(神社本庁「鈴について」)。
5. 二拝二拍手一拝でお参りする

香取神宮(千葉県香取市)の拝殿の前での拝礼(2007年)。写真: katorisi(CC BY 3.0)/Wikimedia Commons
神社本庁が「基本形」としている作法です。
- 姿勢を正し、背中を平らにして、腰を90度に折る深いお辞儀を2回します。
- 胸の高さで両手を合わせ、右手の指先を少し下にずらし、肩幅くらいに開いて 2回拍手 します。
- 手を合わせて心の中でお祈りし、最後に もう一度深くお辞儀 をします。
神社によっては作法が違います。たとえば 出雲大社 では「二礼四拍手一礼」です。案内の掲示があれば、それに従いましょう。
お寺でも同じようにお参りしていい?
お寺では、拍手をせず、静かに手を合わせる(合掌) のが基本です(nippon.com)。
長いあいだ、神社とお寺は深く結びついていました。明治のはじめの1868年、政府が神道と仏教を分ける命令を出し(神仏分離)、今のように別々の場所として整理されました(國學院大學「神道事典」・英語)。似ているのに作法が違うのは、この歴史があるからです。見分け方は「神社と寺の違いとは」で詳しく紹介しています。
おみくじ・お守り・絵馬は、どう扱えばいい?
| もの | どんなもの | 扱い方 |
|---|---|---|
| おみくじ | 運勢を占う紙 | 境内の結び所に結んで帰る習わしがあるが、持ち帰ってもよい(神社本庁) |
| お守り | 身につけて神さまの守りを受けるもの | 年末に神社へ納めてお焚き上げしてもらい、新しいものを受ける(神社本庁) |
| 絵馬 | 願いを書いて奉納する木の板 | 願いごとを書き、決められた場所に掛ける |
気をつけたいことは?
- 静かに、落ち着いて。 大きな声や走り回るのは控えましょう。
- 写真は掲示に従う。 境内は撮影できることが多いですが、社殿の中や神事の最中は撮らないのが基本です。結婚式などは、許可なく撮らないようにしましょう。
- 小銭は先に用意する。 お賽銭箱の前で財布を探さずにすみます。
- お祈りしている人がいたら、横によけて待つ。
神社は、お祭りの舞台でもあります。日本各地のお祭りは「日本の祭り」で紹介しています。
よくある質問
Q. 神社とお寺で、お参りのしかたは違うの? A. 違います。神社は「二拝二拍手一拝」、お寺は拍手をせずに合掌します。鳥居があれば、多くの場合は神社です。
Q. お賽銭はいくら入れればいい? A. 決まった額はありません。5円玉は「ご縁」にかけて人気ですが、いくらでもかまいません。
Q. 手順を全部まちがえずにやらないとだめ? A. いいえ。気持ちを込めて静かにお参りすることがいちばん大切です。迷ったら、まわりの人や掲示を参考にしましょう。
次に読むなら
出典
- 神社本庁「参拝方法」(手水の作法・再拝二拍手一拝・腰を90度): https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/sanpai/
- 神社本庁「鳥居について」: https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/torii/
- 神社本庁「参道について」(正中): https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/sandou/
- 神社本庁「お賽銭の今と昔」(額に決まりはない): https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/osaisen/
- 神社本庁「参拝の際に鳴らす鈴について」: https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/suzu/
- 神社本庁「おみくじ」: https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/omikuji/
- 神社本庁「お神札・お守り」: https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/omamori/
- 出雲大社「よくあるご質問」(二礼四拍手一礼): https://izumooyashiro.or.jp/faq/
- 國學院大學デジタルミュージアム「神道事典」神仏分離(1868年)・英語: https://d-museum.kokugakuin.ac.jp/bts/detail/?id=3940
- nippon.com「お寺で『かしわ手』はマナー違反?」(お寺は合掌): https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g02571/
- カバー写真: Joe Mabel「Approaching Meiji Shrine 01」(2014年11月、CC BY-SA 3.0)/Wikimedia Commons
著者
J-Times Editorial
Culture Desk

